弱点の確認(2025.04.27)

弊ローでは、1人の学生に対して、担任(教授・准教授)、副担任(教授・准教授)に加えて、希望すれば担任補佐(弁護士など)がつく。なお、留年者が担任補佐の希望を出さなかった場合、強制的に誰かがつく。

私の場合、自分自身の弱点をあらかじめ把握していたため、(法学実務演習でお世話になった先生からの推薦もあり)誰に担任補佐を希望するか、3月の時点で既に決めていた(第一希望にその先生を書き込んでいたところ、見事に希望が通った)。

※なお、担任補佐とチューターは別の概念である。チューターでお世話になる先生方が必ずしも担任補佐をしてくれるとは限らない。

私は、今年の担任補佐に関しては、いわゆる「効率厨」と呼ばれており、かつ、学生に対して最も厳しそうな先生を希望した。後述する私の弱点を克服するためだ。今日は、その担任補佐と約1週間以内に面談が入る可能性が高いため、ここで私の弱点を整理しよう、という趣旨で記事を書くことにしよう。

まず、私の弱点は、ちゃんと「人間」であったことだ。ん?どういうことかって?

それは、人は善でも悪でもなく、「弱い」ものだと考える、「性弱説」に立つならば、私は大衆と同様に「弱い人間」だった、ということだ。

人は簡単なほうへ流されやすい、と言われるが、私も簡単なほうへ流されていたのだ。具体的には、「基礎的な部分が正確にインプットできていないのに、次の論点のインプットに飛びつく」「現場思考の論点については、物量で攻める(解答用紙を10枚消費する、など)」、「演習をおろそかにする」「短答を重点的にする」などだ。

次に、1月から今月にかけて多くの教授から指摘を受けた、私の弱点をまとめてみよう。

①基礎的な知識の不足(演習不足)

教授からいただいた指摘をそのままこちらに引用すると、以下の通りである。

「事例や学説に関する基本的な理解が疎かになっている」「基本に立ち返って、条文の適用される典型的な事例がどのようなものかを、制度趣旨ともに頭に入れていくことを地道に繰り返すべき」「基本的な理解に乏しい」「基本的な知識・理解を具体的に用いることができるようにテキストの熟読に取り組む必要がある」

知識の理解・習得に関しては、私が最も課題を抱えている部分である。弱点に対する問題意識は合っているようだ。だが、読者の中にはこのような疑問を持つ人もいるのではないだろうか?「あれ、崖ローは、これまでの2年間で豊富な学習時間を活用し、法曹コースに匹敵するか、それ以上の知識を有しているはずでは?」と。

そんなことはない。私を買いかぶりすぎだ。以前、上記のような問を私に投げてきた方にも答えたが、「ここにいう「知識を有している」とは、試験や実務で「使える知識」にしている知識を有していることをいう。仮に法曹コース以上の膨大な法的知識を私が有していたとしよう。だが、事実、今の私にはそれが上手く使えていない。そうである以上、「知識を有している」とはいえないだろう」。

たしかに、自習室内にある書籍の大規模な改善も相まって、私の手元には司法試験の合格を目指すだけならばオーバースペックといえる程の書籍や資料が集まっている。上位答案(参考答案)も豊富にある。基本書も、司法試験合格者が使ってきた基本書に絞り、全科目丁寧に熟読してきた。しかし、それが上手く答案に反映できない。基本書も、短答で復習すれば、全体の5%程度しか理解できていないことに絶望する。

一時期、11月にはコンメンタールや我妻本など、古典や辞書を持ち出さなければならなかったり、答案が突然書けなくなったりするなど、(特に民法で)迷走を極めたのだが、この時期を除けば、他の受験生とは異なる勉強のアプローチはしていないはずだ。

そうすると、基本書や条文・判例との向き合い方に、きっと弱点の根源があるのだろう。

なお、ある教授に相談したところ、(基本書・判例集の熟読による理解をベースとした)勉強の方向性それ自体は間違っていないようだが、それでも非常に効率の悪い勉強をしていることがわかった。

今月からは働きながら法科大学院に在学し、限られたトキ・モノ・カネで司法試験合格を目指す必要性に迫られたため、より勉強に対する生産性を上げなければならなくなった。だからこそ、上述した「効率厨」といわれる担任補佐を希望したのである。

②余事記載や論旨が不明確な点

①で指摘を受けた弱点が、ここに反映されているのだろうが、事例に対して論点抽出(問題の所在の把握)が上手くできていない。その結果として、全く関係のない論点を答案に書いたりしてしまう。これが、余事記載を招いている。

「論点抽出と当てはめの方法を見直す必要がある」「問題把握が的確になるよう、条文、判例の基礎知識をつけてほしい」

これが教授からの指摘なのだが、、、そもそも、論点抽出と当てはめの方法を見直す以前に、事例問題から論点を抽出する方法がわからない。出題趣旨を見れば論点が一瞬で思い出せるのだが、出題者は事例問題に対してどのような論点を抽出して欲しいのか、なかなか読み取ることができない。だからこそ、「問われていることに、正面から答えることができない」

ちなみに、この「問われていることに正面から答えられない」問題について、ある教授に相談したのだが、事例問題から論点を抽出するための効果的なトレーニング方法は、人によって千差万別であることから、2025年現在もまだ見つかっていないそうだ。つまり、気合いではどうにもならない問題に対して「気合いでなんとかしろ」というのが、この問題を解決する効果的なトレーニング方法ということになる、、、

ただ闇雲に事例問題(アガルートの重問など)を解き潰していっても、効果が薄い。問題集を1~2周しても、なお「答案の書き方がわからない」ままだからだ。これも、担任補佐へ相談すべき問題である。

まとめ

以上のことから、私の弱点は①「人間」であること、②基礎的な知識不足、③演習不足の3点である。「性弱説」にあてはまらない人を「天才」と定義するならば、悲しいことに、私は未だ「天才」ではない。「天才を超えたければ自分が「天才」とやらになればよい」というのが、かねてから言っている私の考えだが、私はまだ人間のままだし、具体的に何をしたら良いかわからない。「ジ○ジョの奇妙な冒険」に出てくるDI○のように、「俺は、人間をやめるぞ!ジ○ジョーーッ!!」と、簡単に人間から天才(?)にはなれないからな(あと、当然だが、その人を「天才」たらしめているのは、それがあくまで外部的な評価に基づく「天才」だからであり、天才を自称したところで意味が無い)。それよりも、②③は解決の糸口を早急に見つける必要がある。

効率重視の勉強に切り替えることで、これらの弱点を克服するための突破口が見えてくるかもしれない。

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著者情報

大学法学部卒業後、電鉄系、法律事務所での勤務を経て、法科大学院へ進学する。果たして筆者は無事に司法試験と司法修習を突破し、「弁護士・外国法事務共同弁護士法人」を設立のうえ、日本を代表する大手事務所へ成長させられるのか!?
とある司法試験受験生のブログです。

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