皆さんは、ドイツの心理学者「ヘルマン・エビングハウス」をご存じだろうか。
たぶん、多くの方は、中学または高校、ひょっとしたら法科大学院の授業において「エビングハウスの忘却曲線」というもので、その人の名前を一度は聞いたことがあるだろう。
忘却曲線を描く人の中には、その曲線の意味を理解しないまま説明する方もいるから困りものだが、本記事では、その忘却曲線の説明ではなく、もう一つのエビングハウスについてちょっと気になった点を書き留めておきたい。
エビングハウスの錯視とは、要するに、相対的な大きさ知覚に関する錯視、具体的には、同じ大きさの円を描いたはずなのに、それを取り巻く円の大小によって、中心の円が比較的大きく(小さく)見えるというものだ。これ、(記憶違いだったら申し訳ないが、)たしか自動車教習でもやったよな?
で、なぜこの話をしたかというと、イギリスにおいて、世界一背の高い女性と、世界一背の低い女性が初対面したというニュースがあったからだ。対面し、お互いにティーカップで飲み物を飲んでいる写真を見ると、なんと、同じサイズのティーカップのはずなのに、背の低い方の持つそれが、倍以上大きく見えるのだ!
これまで「鶏口牛後」ということわざを図で表したのがエビングハウスの錯視という、なんともシビアな認識を持っていた私だが、こんな平和な意味でも使えるとは思わなかった!
いやぁ非常に面白い発見であった。