読み物は列車の中で(2024.10.20)

自習室で長時間勉強し続けると、どうしても集中力が切れてしまう。もちろん、それだけではなく、長時間座ることで、身体に思わぬ負担をかけてしまう。眠気を引っ張ったまま勉強しても時間の無駄だ。

そこで、私はJRの大回り乗車の特例を使って、列車の中で暗記すべき書籍をたずさえて勉強することにした。

道のりは、東京都心から中央線で立川・拝島へ。そこから高麗川(こまがわ)へ行く電車に乗り換える。

そして、メインで集中して暗記できる路線といえば、八高線の高麗川~倉賀野間である。ちなみに、倉賀野の次が八高線の終着駅兼始発駅である、高崎であるが、大回りの特例では同一の駅を重複して通ることができないため、残念ながら特例を使っている途中に高崎へ寄ることは叶わない。

最後に、倉賀野駅から小田原方面へ向かう列車に乗り、東京で下車してゴールである。

乗車時間はだいたい5時間以内。乗り換え時間はそれぞれ約1~3分程度しかないため、途中で人身事故が起こったりすると、ひとたまりもない。

その間、私は明日の民訴の授業を完璧に理解して受けるために、指定教科書となっている高橋宏志先生の重点講義・民事訴訟法の該当部分を2週ほど読破した。この基本書は、司法試験を受験するうえでは少々古い本(10年前の本)だが、今履修している民訴を担当する教授の講義との関係では抜群の効果を発揮する。なんと、この基本書を読んで受けたらかなり頭にスッと知識が定着するのである!逆に、リーガルクエストとは相性が極めて悪く、これで理解を進めようとすると、どうしても教授の講義が教授独自の学説を提唱しているように聞こえてしまう。これはまずい。したがって、2023年に改訂されたばかりのリークエから2014年の高橋民訴に切り替えざるを得なかった。

この高橋民訴の教科書を使うようになって思ったのだが、これを読んだことで、民訴の教授は決して独自の異端の学説を述べているわけではないし、ローの一部の学生が言うような「間違ったことを言っている」わけでもないことが分かった。判例に忠実で、かつ、さまざまな学説を百選をベースとして、詳細な講義がされており、他方でリークエとは異なる立場に立つ学説を支持していたからこそ、単に私達が十分な予習復習ができていない(またはリークエがとる立場に準拠した)ために、異端の学説に聞こえただけだったのである。だから私は先週の授業で「やっと民訴の授業がわかるようになってきたぞ!!」とはしゃいだのである。これを読んでいる弊ローの読者の皆様は、即刻、高橋先生の民訴の基本書を読むべきだと思う。

ちょっと話がそれたが、とにかく、気動車の中で読むと、理解の定着がすさまじく早いので、また機会があれば大回り乗車してみたいものである。

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著者情報

大学法学部卒業後、電鉄系、法律事務所での勤務を経て、法科大学院へ進学する。果たして筆者は無事に司法試験と司法修習を突破し、「弁護士・外国法事務共同弁護士法人」を設立のうえ、日本を代表する大手事務所へ成長させられるのか!?
とある司法試験受験生のブログです。

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