想定外の刺客と「法律のごみ屋敷」問題(2024.01.30)

今日、刑訴法の試験の解説が公表された。これを見て、私は愕然とした。

・・・たしかに基本的な知識を問う問題であったことは間違いなかった。判例と趣旨を覚えていれば簡単に解答できた問題だっただろう。しかし、何というか、、、思っていた以上に論述が書けなかった。解説を見れば判例と趣旨・解説が頭の中で瞬時に再現され「ああなるほど、この判例だったのか」とわかるのだが、試験では全く異なる視点での論点を書いてしまっていた。それも全部だ。さすがに頭を抱えて絶望した。

家族法に最も注力し、家族法に勉強を集中させていたせいで、比較的理解したつもりでいた刑訴法の対策がおろそかになっていた。完全に油断したのだ(学部から身についた、いわゆる「舐めプ癖」が致命傷を与えた)。(もっとも、家族法の試験終了後に精神的にも肉体的にも疲労困憊となっており、全く勉強に手がつかなかったという側面もあるが、それは単に私の体力が落ちていただけであり、刑訴法でやらかした根本的な理由にはならない。)定期試験受験前の私の成績が気になる方は、ぜひ12月23日投稿の「成績天気予報『1点の重み』」という私のブログ記事を見てほしい。刑訴法は理解したつもりでいて問題なく乗り切ることができると考えていた理由がわかるはずだ。まさかここで足元をすくわれるとは夢にも思わなかった。(といってもほとんど自滅に等しいw)

これが22歳など若い年齢であったり、経済的に裕福であれば「まあ法律科目なんて一発で進級するよりも、正確に理解して司法試験で一発で合格したほうが長期的にみればよっぽどいい」という発想に至るだろう。幸いうちのローは進級率低いから1留した程度で周囲から白い目で見られる心配がない(ここが、自分に合ったペースで勉強できるという意味でローのいいところであり悪いところでもあるのだがw)。

だが残念!!私は若くない!!経済的に裕福かと言われれば決してそうではない!笑

そうすると、今更ながら予備試験重視の勉強に切り替えざるを得ない。

さて、留年=退学の可能性が高まったことから、万が一に備えて就職活動をしなければならない。成績が確定するまではその準備に取り掛かる必要がある。他方で、今年の予備試験に最短で合格しないと、ちょっと私にとって不都合が生じる。

すなわち、令和7年司法試験で合格しなければ、令和8年からCBT(いわゆるパソコンでの試験)に切り替わるため、その対策が非常に面倒になるからである。

これまで試験については(簿記とテストセンターを除き)すべて紙で挑んできて、すべて紙で合格してきた。しかし、CBTとなると話が変わる。当時(2024年1月時点)の先生の話によれば、六法も電子化されて試験に挑む必要があるらしい。仮にそのまま六法が電子化されると、私にとっては非常にハンデとなりかねない。
(え、だってさ、紙の六法のほうが圧倒的に使いやすかったじゃん。条文に「詐害行為取消権」とか検索かけて民法424条等に飛ぶならいいけど、条文番号を打ち込まないと飛べないしくみなんでしょどうせ。そんなん使いにくいやん、普通!そんなんできる!?私そんな機能を愛用している弁護士の先生を今まで一度も見たことないで!笑 デジタルネイティブな弁護士の先生であれど六法だけは紙媒体のままだった気がするんだが私の記憶違いでしょうかねぇ?)

したがって、「え、今からでも予備試験合格間に合うスケジュールありますか?」という、某保険会社のCMをもじって、少しずつ予備対策にシフトしなければならない。

次回の予備試験短答まで残り168日である。以外と時間がありそうでないやん。

そこで、私が目をつけたのは予備試験に1年で合格した、しかも働きながら学生生活を送って合格した東大生の記事である。月別の勉強時間をその方の予備試験合格時間と比較すると、私はその方の3倍以上の時間をかけて勉強していることが判明した。

つまり、かたや判例と教科書を読み込み、司法試験や定期試験の過去問等でアウトプットをしてきた、時間がほぼ無制限に使える私が留年し、かたやその3分の1で(しかも空白期間がありながら)合格した方との差は何か。これを理解すれば、退学後働くことになっても適切な勉強時間と質が確保できる、というわけだ。

私の勉強時間は1日あたり平均で14時間ほど。(7:00~21:00、9:00~23:00がオーソドックスだった。振り返ってみれば、7:00~23:00でフルタイムに勉強した時間はそこまで多くなかった。)

そこからこれまでのチートデイ17日分を引いた結果、だいたい4050時間程度の勉強時間の中で勉強してきたことがわかる。これに対してかかる東大生の勉強時間は1556時間。非常に少ない。

勉強時間を見ることに対して批判的な方が少なくないことは承知のうえだが、そもそも適切な勉強時間を確保できていなければ、これまでまともに勉強できていなかったはずだ。少ない勉強時間で、質の高いインプットとアウトプットができれば、疲労も少ないし合格に近づくはずだ。

そもそも私が法律事務所を退職して今のローへ進学したのは、勉強の質と量を確保し、勉強に集中するためだ。

少なくとも教授を含めてロー内の誰から見ても明らかなような勉強量を、ローの誰よりも確保することができた。(その意味では非常に恵まれた環境で勉強してきたのは間違いない。)

つまり、ここで単位を落としたということは、量ではなく勉強の質で致命的なミスをしているという証明になる。

その証明として、ここ最近は定期試験の添削や予備試験・司法試験の過去問の添削を在学中合格者の先輩方数名に「よろぴこ!!(とは言っていないがまあそんな感じで)」と言って大量に「押しつけ」ているが、その結果は惨憺たるものだった。(例:商法の試験では17/100しか取れていない)

かといって、決して私がインプットを懈怠していたかというと、これは断じて否定したい。解説や添削結果をみれば「あぁ、やっぱり、そうだったのか」と解説が頭に入ってくるからだ。
問題は、大量の論点と知識をどのようにアウトプットで表現するか。これが私は致命的に弱いのだ。

つまり、頭の中にある「法律のごみ屋敷」をどげんかせんといかん。これが私の最大の課題だ。だから答案の半分が余事記載となっている。

今回の、かかる東大生の記事をもとに勉強を実行すれば、働きながらでも合格できたかもしれない。幸い、基本書と参考書、論文の上位答案など、合格に必要な教材はすべてそろっているのだから。

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著者情報

大学法学部卒業後、電鉄系、法律事務所での勤務を経て、法科大学院へ進学する。果たして筆者は無事に司法試験と司法修習を突破し、「弁護士・外国法事務共同弁護士法人」を設立のうえ、日本を代表する大手事務所へ成長させられるのか!?
とある司法試験受験生のブログです。

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