フィードバック(2024.02.17)

 先日の大手事務所への訪問は、今の私にとっては私が責任者として実行に移した一大プロジェクトの1つだった。当日、不幸にも体調不良で参加できなかった方に代わる方の参加手配をしたり、実行までの入念な打ち合わせもメールでやりとりした。上記のようなメンバーの変更といったイレギュラーは想定の範囲内であるが、これを含めてその他小さなトラブル(食事の座席配置等)に対して私が適切な判断を下せなかった点がいくつか存在するため、これは反省材料として次回に活かしたい。

ちなみに、後に体調不良の方の代替での参加を依頼し、快諾いただいた本人から「なぜ私を誘ったのか」と聞かれたので、私は本人に以下の旨を答えた(はず)。

「あえて言葉を悪くいえば代替要員ではあるのですが、やはりあなたに連絡すれば迅速かつ確実に返信がくると私が確信していたからです。当初あなたをお呼びしなかったのは、あなたが(大手)企業法務に興味があるかを私が聞いていなかったからです。あなたは非常に論理的に話されるし、誠実で頭の回転も非常に速い。それに、ロー内の派閥や学年の壁を越えてこのプロジェクトを伝統的に後世代までしっかりと引き継がせるには、(いろいろ理由を言ったはずだが 忘れたので中略)あなたが必要だった。だから突然ではあるがあなたに声をかけたのです。」

こんな感じのニュアンスで理由を答えたのは間違いない(言葉それ自体は間違ってるかもしれんが、そのつもりで回答した)。一種のナンパかな?笑 そう捉えられていたら悲しいがな。

ここで私の強みの1つである、「学年や派閥の垣根を破り、何人とも一定程度の人間関係を構築できる」力が役に立った。参加者は私含めて学生11名、弁護士3名であったが、私の依頼にお応えいただき、通常ならば実現しなかったであろうかかるプロジェクトの実現ができたのは、皆様の助けがあったからである。心より御礼申し上げたい。

そして、私、いや私達が創造した伝統を、ぜひ後世のロー生は引き継いでいただき、そのロー出身の法曹ネットワークを大手にも広げて欲しいと強く願ってやまない。

伝統がなければ伝統を創造するまで。これを具体的にやりきった。小林一三の名言である「金がないから事業ができないという人は、金が出来ても事業ができない」という言葉のベースとなっているらしい、安田善次郎氏の「堅志力行」の精神、すなわち志を高く持ち行動することと、一歩一歩着実に前進することを、私はまた1つ今回のプロジェクトで成し遂げたのだ。

さて、問題はフィードバックだ。いくらプロジェクトを実行まで移したとはいえ、その効果が当事者にとってあまりにも貧弱なものであれば話にならない。仮にその効果が上記の貧弱貧弱ぅ!な程度であれば、それは私の単なる自己満足で終わってしまう。

そこで、私は少なくとも現時点で1名の方にフィードバックをいただくことができた。

総評としては非常に満足していた。(具体的な内容はここでは申し上げられない)

私は、ここでやっと肩の荷が下りる思いをした。たとえ「サンプル1」でも、特にその方にとっては不満を残すような会になって欲しくないと私が心から冷や冷やしながら思っていたからだ。

私自身も、即独に向けて事務所の環境を徹底的に目に焼き付けた。寝る間も惜しんでこの日に見た記憶、環境、においなど、すべてを必死に把握した。大手事務所をも軽く凌駕する、我が国を代表する世界最大の事務所を0から創造するには、ここまでしなければならないと覚悟していたからだ。

だからこそ、今回のプロジェクトは私にとって極めて有意義で、貴重な経験となった。
この経験を独立時の弁護士法人に活かすためにも、ぜひ予備試験と司法試験には引き続き合格していきたい。
幸い、私は予備試験の過去問と解答し続けてきたが、憲法や民法ではA~B評価をいただくようになった。(憲法は書き方が悪く、添削者によってはD答案になりかねないという危険を有していた) したがって、私が予備試験に合格するのも、決して寝言ではないことも証明し始めた。

ところで、一つ読者の皆様は私にこう質問してくるだろう。「そもそも上記のプロジェクトは司法試験を突破するために必須のものであるのか?」と。

答えは、NO. 明らかに寄り道のしすぎである。ただし、突破後を見据えると、何か組織を動かした経験に乏しい私にとっては必須の経験である。

私が将来作りたい組織は、代表取締役総裁や部長などといった身分や年齢、修習期などにかかわらず、正しい「モノ」を堂々と発言できる自由闊達な風土を持つ組織である。仮にその発言が誤解や勉強不足によるものであれば、その誤解や勉強不足を憎み、誤解した人を決して憎んではならない。そうすることで、自然と組織が「正しい方向」へ進むことになるだろう。

では、その組織が我が国の社会で必要とされているのか。答えは「Ofcorse」だ。正しい組織が正しい行動をし、正しく人や社会・国に貢献することで、初めて信用と信頼が醸成される。このような風土を作れるような訓練を、私はここで行ったのだ。信用や信頼の勝ち取り方を学ぶために。

上が下にモノを言えるのはもちろん、下も上にモノを言えるような自由闊達な風土を、小規模の人数でも簡単に根付かせられないようであれば、5000人、いや1万人を要する弁護士事務所など到底作れまい。モノ言う人間は時として煙たがられがちだが、人として既に高い名声と社会的地位、それに裏付けられた数千億円の資産を有する人間は、私の知る限り皆「モノ言う人間」である。私はこのようなモノ言う人間でありたい。これは上述した純粋な体育会系思想との大きな違いである。たしかに純粋な体育会系思想をもとにキャリアを歩めば、上述のとおり早く高い給料とそれに見合う社会的地位をもらえるだろうが、所詮それまでだ。生涯収入も良くてたったの3億程度だろう。そう私は考えている。


※・・・さっきから信用だの信頼だのうるせぇなぁと感じている読者の皆様に、1つだけ補足しよう。ビジネスや組織で成功するには、人様から信用され、信頼されることが重要だといわれている。では、どうすれば信用され、信頼されるだろうか。
それは、小林一三に関連する書籍によれば、①「信用を得るには、まず正直でなければならないこと」、②「普段から礼節を守っていないといけないこと」、③「仕事を迅速に正確に行うこと」、④「お客様から信頼を得ること」である。

私には今のところ③が足りない。迅速さはメルカリの販売でアマゾンに勝つほど達成されているが、正確さに関しては昨今の予備試験過去問や定期試験をふまえると首をかしげたくなる。④のいうお客様とは、社会通念上のお客様にとどまらず、私と関わるすべての人であると私は考えている(ここが私と小林一三の違いである)。これを鍛えるためには、しつこいが、先日のプロジェクトのように経験を蓄積していくに限るのではなかろうか。他に良い手段があればいいのだがな。

以上、先日のチートデイで行ったプロジェクトのフィードバックでした。

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著者情報

大学法学部卒業後、電鉄系、法律事務所での勤務を経て、法科大学院へ進学する。果たして筆者は無事に司法試験と司法修習を突破し、「弁護士・外国法事務共同弁護士法人」を設立のうえ、日本を代表する大手事務所へ成長させられるのか!?
とある司法試験受験生のブログです。

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